入院3日目。まだ通常通りの食事は取れないみたいです。
と言っても、散歩くらいなら外出を許可されているので、出歩いていましたが。
その、散歩の途中でしたね。
街の中心近くにある広場のそばを通りかかったとき、
討伐から戻ってきたのだろう、仲間たちが集まっているのを見つけました。
騒がしい感じだったので、様子見を兼ねて近づいてみたのですが……。
その中に見慣れない方が一人いらっしゃいまして。
赤と黄色の派手な出で立ちでしたが、
それよりも印象に残ってしまったのが……その、所謂男の方が好きな方のようで。
約2名ほど被害にあっていましたね。後ほどジョーさんもえらい目にあってましたし。
ただ、そんな人騒がせな方でしたが。
持っていらっしゃった知らせは重大なものでした。
ネルニードさんが、オンテミオン公を害した人物にさらわれた、と。
一週間ほど前、公の家を訪ねた彼らは、重傷を負った公と何者かに遭遇し、
ネルニードさんは動きを封じられて、魔法により公共々どこかへ転移させられたとの事。
……聞いた特徴や、使ったと思われる魔法から察するに……。
行方のわからなくなっていた、最後の一人なのでしょうか。
当たって欲しくはない、ですが、考えておくべき、か。
ミツキさんや何名かは、すぐにでも助けに行きたいのを顕になさっていました。
しかし現状、ドゴールへは関所が閉まっていて通行不能で、魔法による移動も難しい様子。
ネルニードさんが何を思ってドゴールへはダメだと仰ったのかは不明ですが、
今手の打ちようがないのは確かなことです。非常に、もどかしいですけども。
関所の封鎖は王国の判断でしょうし、
デュマーフ公の依頼をこなして、なんとか上に掛け合うしかないのでしょうか。
その後、何とかその場は保留と言うことになり、仲間はアパート側の広場へ。
ワルドさんがいらっしゃって、報告や情報交換をなさっていたようですが……。
私は途中からの合流でしたので、
迷い込む場所が変わった頃あった、変化の話題くらいしか参加できませんでした。
……何で私たちはこの世界に迷い込んだんでしょうね。本当に。
情報交換なども終わって、
最近入れるようになったメルナーへ数名が移動し、数名は休みに行った所で広場はほぼ静かに。
私も行きたかったんですけどね。体壊してさえなければ。
残ったのは、私と、何故かファルケンさん。
休むわけでもなく、メルナーに行くわけでもなく。
元々ファルケンさん、人とあまり親しく交わる方ではないのですけど。
今日はそれを考えても、少々様子がおかしい。
アイラさんにも言われたようなのですが、表情が若干ぎこちないですし。
話を聞くに、残されている時間が少ない気がする、という妙な不安感がずっとついてまわっているようで。
ただの気のせい、とも言い切れないが実体がないものに、少し参ってしまわれている様子が。
それもあって、シンさんにアイラさんとヘキエンさんのことで注意された時も、なら引き継いで導いてやれなどと言ってしまったのだとか。
迫っている何かに関しては、ツケ、という言葉で彼は表現していましたけれど。
どうも、諦めが入っている節があるのが気になるところ。
……妙な事になっても、見捨てるつもりはありませんけど……。
彼は、生き延びるために影の技を習った相手に、何かされた可能性がある、のかなぁ……。
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