例の剣の解析結果が出た日。
ハンフォード博士によれば、
彼を支配している術を打ち破ることは可能なのだそう。
しかし、それには別種の術も破らなければならない上、
解いた後どうなるかはわからない、と。
彼の意識が保たれたままであるという事を考えるならば、
どういう意味であるかはほぼ限られるでしょう。
私は、彼を術から解放することが救いであるとは断定したくありません。
彼に殺された人は、殺された人と親しい人は、
術で操られていようがいまいが関係ないと思うでしょうし。
また、彼自身の心が、
生きていることすら苦痛なくらいに傷ついている可能性もあります。
……だが、支配されたまま斃すのは、選択肢すら彼に与えないということ。
結果、自ら死を望むとしても、生きて仲間として迎えられるとしても。
手段がないなら兎も角、あるならば、
術を解くのは何度も命を救われたものとして最低限の義務でしょう。
人としても、戦うものとしても。それが私の選択です。
できれば、解放後の受け皿も用意できればいいんですが、
今の状況でそこまでは出来るかどうか……伝手がないも同然ですからね。
彼の事を知らない新しい仲間からは、
あの姿は虐殺者としか見えなかったでしょうし、
彼を救おうという事に反発を覚えてる方もいらっしゃいます。
無理もない。術で操られていたとしても、言い訳を認めたい所業ではないのですから。
それでも、彼がいなければ今の我々の姿もなかっただろうという事は変わらない。
グラムの巨大オークの時も、血の精霊討伐の時も、ミーア砦攻略の時も。
……ヴァーランの時も、我々を支えてくれた人だ。
そんな人を切り捨てるというのは、手すら伸ばさないのはとても卑怯なこと。
それに「もしかしたら自分も切り捨てられるかも知れない」という疑念を生み、
「ブリタニアから来た」ということで辛うじてまとまっている我々の関係が、
修復不可能なところまで壊れる引き金になりかねないとも考えます。
目下のところ、素材集めが急務となるでしょうね。
二つの術を破る宝石誘導はそれぞれ違いますし、素材も厄介なものが多い。
実際、会議の後に素材探しに出たんですが、
落とすと予想されてる魔物のところに辿り着くまでに体力を消耗。
結局姿を確認し、交戦するも討伐できずでしたからね。
*少し間を空けてある*
選択と結果は切っても切れぬ関係。それはわかってる。
たとえ理不尽であっても、何のせいでも誰のせいでもない。
覚悟しなきゃな。
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